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自然な“子どもらしさ”を引き出す。ビジュアル撮影の裏側をレポート。 後編

自然な“子どもらしさ”を引き出す。
ビジュアル撮影の裏側をレポート。 後編

ブランドサイトやカタログで、〈+CEL〉の世界観を表現している写真の数々。子どもたちのみずみずしく無邪気な笑顔、まっすぐなまなざしは、〈+CEL〉が大切に守り続けたい子どもたちの未来そのものです。ビュジュアル撮影には、毎回元気いっぱいの個性豊かな子どもたちが参加。「子どもたちの“らしさ”を引き出したい」と撮影チームも一緒に楽しみながら数日を過ごします。今回は、先日行われた2025年度用のビジュアル撮影の様子をレポート。撮影チームにもお話を伺いながら、笑いのたえない撮影現場の様子をお届けします。 前編はこちら

子ども撮影は、ドキュメンタリー

「子ども撮影は、完全にドキュメンタリーです。言うことを聞いてはくれないので(笑)。お願いしても『嫌だ!』っていうから、その先を狙うために常にカメラを構えています。カメラを向けると変顔ばかりして普通の顔をしてくれない子もいますよ(笑)。絵を作り上げるのは主役である子どもたち。大人はいろいろと与えるだけであとは自由にどうぞという気持ちで、もう委ねるしかないですね」(フォトグラファー:木寺さん)

撮影カット数はなんと1日1000枚を超えることもあるそう。また、目線をぐっと下に落として子どもたちと目線を合わせることも大切だと教えてくれた木寺さん。昨年は撮影で腰を痛めてしまったとか……。

撮影の進行表もあってないようなもの。子どもの気分でまったく変わることもあるので、大人たちはその都度状況を見ながら臨機応変に対応。

「パワフルな子どもたちについて行くのが精一杯。大人は体力の波がありますから(笑)、お互いを労ってフォローし合いながらがんばっています。おかげで、撮影を重ねるたびに状況に合わせて対応する瞬発力が養われた気します(笑)」(〈+CEL〉チーム)

個性を引き出す衣装とヘアメイク

モデルとして集まってくれた個性豊かな子どもたち。それぞれの個性をもっと引き出すために、衣装やヘアメイクも重要なポイントです。撮影イメージを集めたムードボードをもとに、みんなで作り上げていきます。

「撮影を重ねるごとに、どんどん世界観が積み上げられてきました。毎回できるだけ同じメンバーで撮影を行うようにしています。だからこそのチームワークが生まれて、それがビジュアルの空気感にも現れていると思います」(ブランディングディレクター:福田さん)

今回の衣装は、ツイード素材やチェック柄などを取り入れたブリティッシュスタイルを意識しています。シンプルだけど少し遊びのあるクラシックな雰囲気の衣装は、入学式の衣装の参考にもなりそうです。 「昨年度の北海道・東川での撮影の時は日常の子どもらしい衣装を揃えましたが、今回のスタジオ撮影ではもう少しおもしろみのあるファッション性をプラスしました。トラッドな雰囲気を自由に着ているような、制服を着崩したような世界観です。子どもたちが普段着慣れない衣装でも自然体でいられるよう、タグが当たっていないか着心地が悪そうにしていないかなどいつも以上に心配りを意識しています」(スタイリスト:轟木さん)

そして、子どもたちのキャラクター作りの鍵になるヘアメイク。

「とにかく短時間で終わらせることは気をつけています。毎回衣装やテーマを聞きつつ、モデルの子それぞれのキャラクターが際立つように意識して仕上げています。女の子だけどキリッとした雰囲気だったり、カーリーヘアの男の子だったりと、キャラクターがはっきりとした子が多いのでイメージが湧きやすくて楽しいですね」(ヘアメイクアップアーティスト:草場さん)

2日間のモデル撮影を終え、ほっとひと息ついた撮影チーム。参加してくれた子どもたちの親御さんも「いい思い出になった」「普段と違う子どもたちの表情が見られてよかった」と喜んでいただけたようです。ご縁でつながった子どもたちと〈+CEL〉。子どもたちの成長に寄り添いながら「彼らが6年生になった時の姿も記録していきたい」。そんな未来も思い描いています。