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みんなで作りあげた、この日限りの紙芝居。
「おもいつきの声と色」による紙芝居のワークショップと鑑賞会を開催

みんなで作りあげた、この日限りの紙芝居。
「おもいつきの声と色」による紙芝居のワークショップと鑑賞会を開催

2024年の秋にオープンした「+CEL HOME STORE」で初めてのイベントを開催しました。記念すべき第1回目は、小島聖さんと平松麻さんの2人の思いつきから始まった声と色の実験室「おもいつきの声と色」による、紙芝居のワークショップと鑑賞会。学びの場、交流の場として育てていきたいこの空間に、子どもたちの明るい笑い声と笑顔が溢れました。

「おもいつきの声と色」

俳優の小島聖さんと画家の平松麻さん、2人の思いつきから始まった声と色の実験室。2人の交流の中で生まれるアイデアや、それぞれの日常で感じた感情やできごとを物語にして、「紙芝居」という形で不定期に発表。オリジナル紙芝居の制作から朗読までを2人で行います。同時に、紙芝居を作るワークショップも主宰。物語を聴いて、それぞれに想像して絵を描き、最後はひとつにしてその日限りの紙芝居を完成させます。ワークショップや観賞会は、各地で不定期に開催中。

オリジナル紙芝居の朗読やみんなで紙芝居をつくるワークショプを各地で開催している「おもいつきの声と色」。今回は、午前に紙芝居のワークショップ&観賞会、午後は2人のオリジナル紙芝居の観賞会を行いました。

ワークショップでは、物語に合わせて自由に描いた子どもたちの絵をつなぎ合わせ、この日1回限りの紙芝居をつくります。お題になった物語は、『月への旅』。まずは小島さんが朗読し、耳だけで物語を聴きながら思い思いに想像を膨らませていきます。

「物語にとらわれず、自分が感じた色や好きな絵を自由に描いてみてください」

用意されたのは、カラフルな色画用紙とたくさんの絵の具。同席したお父さんやお母さんも一緒に、頭の中に浮かんだイメージを画用紙に描いていきます。

悩んだり、迷ったりするかな?と思ったけれど、そんな心配をよそに、子どもたちは思いのままに色を乗せてどんどん描き進めていきます。子どもはもちろん、大人も目を輝かせながら夢中になっている姿がなんだか微笑ましい光景でした。

一枚一枚、個性豊かな絵。小島さんはみんなが描きあげた絵を乾かしながら、物語に合わせてどう構成していこうか、あれこれと考えを巡らせます。バラバラに描かれた絵が、どんな風にひとつの紙芝居になるのでしょう。小島さんお手製のおやつとほうじ茶をいただきながら、完成を待ちました。

そして、いよいよお待ちかねの観賞会。耳だけで聴いた物語に、みんなの絵が添えられます。子どもたちもスタッフもワクワク、ドキドキ……。少し緊張ぎみな表情で紙芝居をみつめていました。

一枚一枚紙芝居をめくるたび物語と絵がひとつになって、どんどんとその世界に引き込まれていきます。物語と絵がぴたっとハマった瞬間は、「わぁー!」という歓声も。

自分が描いた絵が登場すると、「私の絵だよ!」と言いたげな表情でお母さんの方を振り返る子どもたち。その表情がなんともかわいくて、愛おしくて。温かな景色に心も満たされたのでした。

雰囲気変わって夜には、2人で作った物語に平松さんの絵を合わせたオリジナル紙芝居の観賞会を行いました。

「物語は、普段言葉にできない思いや、自分って何だろうという問いのことや、いろいろなことを題材にしています」。

そう話す2人が今回選んでくれたのは、『めだま』、『棘』、『私と私』、『しろいかぜ』という4つの物語。

「自分の経験と重ね合わせてしまって……」
「私の物語のような気がして心が揺さぶられました」

鑑賞後、参加者からはそんな声も。子どもたちにはちょっと難しいかなという内容も静かに聞き入っている姿は意外で印象的でした。

休憩時間にはみんなで東京・田園調布にある洋菓子店「SAVEUR(サヴール)」のバターケーキとルイボスティーをいただいたり、紙芝居の原画を間近で見せてもらったり、紙芝居の感想を言い合ったり。紙芝居を通して、子どもも大人も普段とは違う刺激をもらった1日になったようです。

「おもいつきの声と色」の物語は、すべて小島さんと平松さんで相談しながら書き下ろしたもの。イベントの合間には、そんなお話も伺いました。2人の思いや活動のエピソードなどを聞いたインタビュー記事もぜひお楽しみに。