ランドセルと子どもを中心に眩しい家族の光景が広がる展示会。
ランドセルと子どもを中心に
眩しい家族の光景が広がる展示会。
3月16日から19日までの4日間、+CEL初めての展示会を行いました。蔦に覆われた東京・南青山にある〈LIGHT BOX STUDIO AOYAMA〉の明るい日差しの入る空間に、できたばかりのランドセルを並べました。
photo: Norio Kidera text: Toshiya Muraoka edit: Naoko Yoshida
実際にミシンをかけて手作りした職人たち、幼児心理アドバイザーなどの資格を持つ保育士のほか、ランドセルを背負っていただく際に説明ができるスタッフを揃えて、+CELの世界観を感じていただくために、さまざまな“お楽しみ”を用意していました。
例えば、スタッフ、職人のユニフォームをデザインしていただいた〈YAECA〉が手がける菓子店〈SAVEUR〉のバターケーキ、ガトー・オ・ブールとルイボスティーでお茶をしながら、ゆったりと時間を過ごしていただきたいと考え……。
大阪で活動するプロダクトデザイナー・吉行良平さんがデザイン、制作した什器は、今後、日本中を回っていく際にも使用できるようコンパクトにまとめられる設計ながら、随所に立体的にランドセルを見せられるような工夫がなされています。ランドセルと共に置かれたグリーンやおもちゃなど、インテリアスタイリスト・作原文子さんが作り上げた空間の豊かさもぜひ感じていただきたいポイントでした。
大人にも楽しんでいただきたいという思いからご用意していた“お楽しみ”ですが、やはり主役は子どもたちだと、最初の可愛いお客さんが来た時に痛感しました。ランドセルに手を伸ばして、背負って鏡の前に立っている姿は、想像以上に眩しいもの。
ネイビーや黒を気に入った女の子、キャメルを背負う男の子、「のぞみ」のアルファベット柄に反応するお父さん、柚木沙弥郎さんのファンだというお母さん……。
子どもを中心として、ご家族一緒に、どの色、どのかぶせ裏にしようかと相談する。この光景が見たかったのだと改めて感じました。未来のための選択はとても幸福なものであり、そのために会場内はずっと穏やかで柔らかな空気に満たされていました。その姿を記念に残すべく、週末には購入者の方限定で写真家・木寺紀雄さんによる家族撮影も行いました。
背中にまっすぐ沿うように背負ってもらい、必ず体を揺すったり動いたりすること。背中のクッションの形状と素材によって空気が抜けて蒸れないこと。コの字型プレートと変形防止の樹脂があるためとても丈夫であることなど、+CELのランドセルが持つ「モノとしての確かさ」を手に取っていただき、柚木さんの作品と共に小学校へ通う素晴らしさを体感していただく展示会には、美しい家族の光景が広がっていました。
今後、それぞれの土地の魅力を取り込みつつ、全国を巡る予定です。